企業からみた国際共同臨床試験の現状と課題

平成29年10月19日(木)本学 最先端医療イノベーションセンター棟マルチメディアホールにて、第8回アカデミア臨床開発セミナーを開催しました。
今回は、日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 Clinical Development & Medical Affairs 中枢神経/免疫/ジェネラルメディシン領域部長である謝 宏二先生をお迎えし、ご講演をいただきました。演題は【企業からみた国際共同治験の現状と課題】です。

近年では外資系のみならず内資系企業でも、新薬開発コスト削減や、開発期間短縮のため、国際共同治験の実施を考えています。今回の講義では、日本が国際共同治験に参加する際の課題について、ご苦労されたエピソードを交えてお話いただきました。

ご自身の幾多のご経験を基に、国際共同治験において、特に有効性を評価することの難しさを中心にお話しされました。国際共同治験は、様々な地域及び民族にまたがり臨床試験が実施されるため、内因性あるいは外因性の要因が国際共同試験の成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、試験の成功率をあげるためには、民族的要因およびそのリスクを予め把握することが大切だともおっしゃいました。

ご講演後も質問やご挨拶のため、先生の前に長蛇の列ができておりました。開発担当の先生方のお役に立つ内容となったのではないでしょうか。

 

また、余談ですが、謝先生は幼少期より蒸気機関車がお好きで、全国津々浦々、カメラを片手に見に行かれるそうです。講義のスライドに、先生が撮影された蒸気機関車の写真を織り交ぜてくださいました。中には期間限定で走ったという貴重な蒸気機関車の写真などもありました。プロのカメラマン顔負けの素敵な写真ばかりで、カメラ好きの当支援室長の中谷も、講演前に色々と撮鉄の極意を伺い、盛り上がっておりました。

さて、次回の第9回アカデミア臨床開発セミナーは、12月15日(金)です。講師に医薬品医療機器総合機構(PMDA) 医療情報活用推進室 室長 宇山 佳明先生をお迎えし、【国際共同治験の現状と医薬品承認に向けた課題】についてご講演頂きます。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

ページTOPへ戻る