(セミナーレポート)第1回 アカデミア臨床開発セミナー

臨床研究法と倫理指針

2024年5月31日、令和6年度の第1回アカデミア臨床開発セミナーをオンラインで開催しました。
今回のセミナーでは、東京医科歯科大学 八百野 恭子先生をお迎えし、「臨床研究法と倫理指針」と題してご講演いただきました。

 

臨床研究法は、令和3年に見直しが検討され、令和4年6月にとりまとめが公表されました。このとりまとめの内容を受け、国会において法改正の審議が予定されています。
今回のご講演では事例も交えながら、臨床研究法と倫理指針についてわかりやすくご説明いただきました。

まず臨床研究法の該当性について説明がありました。「臨床研究」とは医薬品等の有効性又は安全性を明らかにする目的で当該医薬品等を人に対して投与又は使用することにより行う研究と定義付けられています。以下に挙げるものは基本的に臨床研究法の非該当になるとのことでした。

・健康食品、福祉機器
・薬機法に基づくもの
・医薬品などの評価を伴わないもの
・人に対して投与・使用しないもの
・医行為を伴わないもの
・観察研究

他方、サプリメントと称して食品として販売されている物又はその成分を含有する物について、疾病の治療等に使用されることが目的とされている場合には「医薬品」に該当します。このため、疾病の治療等に対してこれらの有効性や安全性を評価することを目的とした研究の場合、臨床研究法に該当する可能性があるとのことでした。

次に「人を対象とする生命科学・医学研究に関する倫理指針」についての説明がありました。上記に挙げた臨床研究では非該当になる項目の中で、「薬機法に基づくもの」以外は基本的に同倫理指針に該当するとのことでした。また、同指針における「既存試料・情報」「個人情報・仮名加工情報・匿名加工情報」等の用語の考え方についてご説明がありました。

 

今回のセミナーでは、研究者が実際に直面する臨床研究の課題等についてご講演をいただき、大変意義深いものでした。参加者からは活発な質疑応答が行われ、盛況裏に終了しました。

次回のアカデミア臨床開発セミナーは2024年7月26日(金)に、大阪産業局 中村 奈依先生をお招きしてご講演頂く予定です。
次回も沢山の皆さまのご参加をお待ちしております。

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