(セミナーレポート)第6回 アカデミア臨床開発セミナー

① 日本の医薬品医療機器法における医療機器製造の許認可、クラス分類について
② ASEAN地域の医療機器規制要求とその現状について

2024年2月9日、第6回アカデミア臨床開発セミナーをオンラインで開催いたしました。
今回は、医療機器に関する国内外の法規制に精通したエキスパートであるmk DUO合同会社の肘井 一也先生を講師としてお迎えし、「① 日本の医薬品医療機器法における医療機器製造の許認可、クラス分類について、② ASEAN地域の医療機器規制要求とその現状について」と題してご講演いただきました。

まず、日本における医療機器に関する規制についてご説明がありました。
日本では医療機器の有効性と安全性を確保するために、役割、責任に応じて製造業、製造販売業、販売業者、貸与業、修理業に分業されており、各種ビジネスライセンスを所有することは日本固有の規制要件となっているとのことでした。
特に、市場での全責任を有する製造販売業の許可を取得するには、人的、Quality Management System(QMS)、Good Vigilance Practice (GVP)に関する要件を満たす必要があり、各種ビジネスライセンス保有者と連携し、医療機器の品質、有効性及び安全性を証明し続けることが求められているとのことでした。
また、製品ライセンスについては、開発した製品ごとに、クラスに応じた許認可を受けて市場流通させることが求められているとのことでした。

次にASEAN地域の医療機器規制の要求事項についてご説明がありました。
ASEANにおいて、医療機器の規制に関する重要なガイドラインであるASEAN医療機器指令(ASEAN Medical Device Directive、AMDD)が2014年に10カ国間で合意されたとのことでした。この指令により、各国の医療機器関連法令の調和と技術文書の共通化が図られ、CSDT (Common Submission Dossier Template)と呼ばれる共通様式を用いて医療機器の概要、品質管理システム、技術文書、市販後要求に関する申請を行い、相互認証・承認される仕組みが整備されているとのことでした。

また、日本とASEANの医療機器規制の比較については、要求事項に大差はないが、両地域で開発する場合、ASEANの要求事項を考慮しながら技術文書を作成していくことがスピードアップのポイントとなるとのことでした。

このように、今回のセミナーでは、肘井先生から医療機器の規制に関する有用なご講演をいただき、参加者からは活発な質疑応答が行われ、盛況裏に終了しました。

次年度も研究者の皆様に有益な情報を提供できるよう努めてまいります。
予定が確定次第、ご案内させていただきますので、皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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