(セミナーレポート)第3回 アカデミア臨床開発セミナー
健康・医療分野のSaMDの開発に望むこと
2023年10月6日、大阪歯科大学 医療イノベーション研究推進機構(TRIMI)事業化研究推進センター開発支援部門 教授 谷城 博幸先生をお迎えし、第3回アカデミア臨床開発セミナーをオンラインで開催いたしました。
谷城先生は、医薬品医療機器総合機構、厚生労働省において薬事規制の業務に携わられた後、現在は大阪歯科大学で薬事規制等開発支援学術指導に従事しておられ、今回のセミナーではその幅広いご経験を基に、健康・医療分野のSaMDの開発に望むことについてご講演いただきました。
まず、SaMD(Software as Medical Device)に関する薬事規制の基礎、承認申請手続きのポイント、QMSなどに関する説明がありました。
次に、SaMDの評価方法について、最もシンプルな評価方法の一つとして同じ画像評価データを用いてSaMDと臨床医の比較評価を行う方法があるが、ゴールデンスタンダードと比較評価する際に、臨床評価に十分な信頼性のある評価データが確保できていない場合は、評価が出来なくなるという課題があり、これについては今後検討していく必要があるとのことでした。
続いて、令和元年の医薬品医療機器等法の改正において、医療機器の特性に応じた承認制度が導入されており、これらを踏まえてSaMD開発を進めていくことがポイントであると述べられました。
更に、健康・医療に資するSaMDへの期待に関して、今までにない治療・診断が行えるようなSaMDが求められており、臨床では未利用であった情報や、既存情報の複合情報などを活用して治療や診断に役立てることができれば、患者さんや臨床現場にとって有用であるとのことでした。
以上のように今回のセミナーでは、SaMDの開発についてわかりやすくご講演いただき、活発な質疑応答も行われセミナーは盛況裏に終了しました。
次回のアカデミア臨床開発セミナーは2023年12月8日(金)に、大阪大学連合小児発達学研究科の橘 雅弥先生をお招きしてご講演頂く予定です。
次回も沢山の皆さまのご参加をお待ちしております。