(セミナーレポート)第4回 アカデミア臨床開発セミナー

研究成果を社会実装する為の考え方
★ 新たなモダリティ ‐ DTxに焦点を当てる ‐ ★

2022年11月18日、大阪大学オープンイノベーション機構より森 正治特任教授をお迎えし、第4回アカデミア臨床開発セミナーをオンラインで開催いたしました。
森 正治先生はこれまで、塩野義製薬、ノバルティスなど医薬品の国際事業分野でご活躍され、現在は大阪大学オープンイノベーション機構で統括クリエイティブマネジャーを務めておられます。
今回のセミナーではその幅広いご経験を基に、研究成果を社会実装する為の考え方についてご講演いただきました。

まず、オープンイノベーション機構について説明があり、同機構では革新的事業に繋がる共同研究の企画・提案、知財の戦略的強化、大阪大学発のスタートアップ支援を行っているとのことでした。

次に、大阪大学と他大学の知的財産・契約実績について述べられました。
大阪大学では年間平均455件の発明届が提出されており、2019年度の発明対象件数は、工学系が50%強、バイオライフサイエンス系が42%と工学系の比率が高く、一方、技術移転収入の面では、バイオライフサイエンス系が約80%と大きな割合を占めているとのことでした。

また、アカデミア研究の社会実装における知的財産の重要性についても説明されました。
大阪大学において導出された発明は、最初の出願後4年以内にその8割以上が実施許諾契約の成立に至っており、このことは、特許を申請した後、特許権が成立する前の「特許を受ける権利」の段階で契約成立している発明が多いことを意味しているとのことでした。このように優れた研究成果を知的財産化することで、社会実装の可能性を高めることができるとのことでした。

以上のように今回のセミナーでは、研究成果の社会実装のための考え方についてわかりやすくご講演いただき、活発な質疑応答も行われ多数の参加者を得てセミナーは盛況裏に終了しました。

次回のアカデミア臨床開発セミナーは2023年1月20日(金)に、大塚製薬株式会社医薬品事業部抗結核プロジェクトの川﨑 昌則先生をお招きしてご講演頂く予定です。
次回も沢山の皆さまのご参加をお待ちしております。

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