~「グローバル臨床試験」の現状~

こんにちは、大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部 国際共同臨床研究支援室です。
6月14日(水)、第3回アカデミア臨床開発セミナーが、大阪大学大学院医学系研究科附属 最先端イノベーション棟1階のマルティメディアにて開催されました。
いつもとは異なった時間帯の開催にも関わらず多くの方にご参加いただきました。ありがとうございました!

今回は、ヴェラス・リサーチ・ジャパン株式会社代表の濱中 浩章(はまなか ひろふみ) 先生をお迎えしました。ヴェラス・リサーチ・ジャパンは、シンガポールと共にアジアを牽引するマレーシアに本拠地を置く臨床研究支援組織(Clinical Research Organization: CRO)で、アジアと米国などの国際共同試験(MRCT)を数多く実施・支援しています。
今回のご講演では、「グローバル臨床試験(MRCT)」の現状を実際のアカデミア支援のご経験を交えながらお話をしていただきました。

MRCTの現状として、2015年後半より中国は、臨床試験に関するグローバル化を進めてきています。アジアのみならず世界の臨床試験の中心的役割を担うために、現在も急ピッチで薬事規制(Regulation)を整備しているとのことです。
日本と海外とでは研究開発の進め方が大きく異なります。日本では課題一つ一つを熟考し、完璧にクリアにするまでは、次のステップに進まない傾向が強く、またその決定までのプロセスに時間を要する一方、海外では、課題が生じた際は、その場で解決、すなわち、直面した課題に対して、先送りしないで、迅速な決断を行い、次のステップに進むようです。
今後Global展開をするにあたり、課題解決方法の違いを踏まえ、日本も、積極的にリーダーシップを発揮し、研究開発を進めてほしいとメッセージをいただきました。また、その際、日本独自の創造性(creativity)という強みを失わないように努力して欲しいとお話しされました。

ご講演後の質疑応答では、日本のアカデミアが世界で成功するには?と参加者から質問がありました。それに対して、濱中先生は、「資金問題でもなく、規制の問題でもなく、日本の研究代表者等の決断力がもっとも大切です!」と力強くお答えになりました。ご講演のなかでもお話しになられたように、臨床試験が国際化していくなかで、日本が主導権を握るためには、積極的な対応と迅速な決断が求められていることが理解できました。

第5回は7月27日(木)に山本特許法律事務所より博士(薬学)・付記弁理士の馰谷 剛志先生をお迎えして「医学アカデミアの“知財”生活~知財創出の“主役“である研究者が貴重な”財産“を損なわないためにラボや臨床で気を付けること」についてお話をいただく予定です。セミナーご参加予定の皆様からの事前質問を承っておりますので、下記あてに、どしどしご連絡ください。

【問い合わせ先Email 】 seminar@dmi.med.osaka-u.ac.jp

 

 

 

 

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