ホテルエルセラーン大阪にて、「第3回国際共同臨床研究推進シンポジウム~競争から協奏へ~」・「第4回国際共同臨床研究実施推進事業 臨床研究中核病院連絡会議」を開催いたしました。


2019年3月7日(木)、~競争から協奏へ~と題して、第3回国際共同臨床研究推進シンポジウムを開催いたしました。

本シンポジウムは、日本医療研究開発機構(AMED) 医療技術実用化総合促進事業(国際展開に係る取り組み)の一環で、同機構に協賛いただき、大阪大学医学部附属病院と国立がん研究センター中央病院との共催で開催されました。

第3回目となる今回は、「競争から協奏へ」をテーマに、アカデミアシーズを海外展開する際、これまで個々が切磋琢磨し競いあうステージから、臨床研究中核病院がスクラムを組み、皆で力をあわせて研究開発を推進するステージにアップグレードし、アカデミアシーズの研究開発が加速されることを期待して、このテーマとしました。

その背景には、本邦における基礎研究は世界的にハイレベルに位置づけられておりますが、臨床研究となりますと、必ずしもそうではない部分があることが課題とされてきたことがあげられます。そのため、互いに協力しあって、研究開発を行うことが重要と考えております。

本シンポジウムは、国際共同臨床研究の実施・治験の企画・立案から支援を行うため、今回の5つのセッションでは、国際共同臨床研究(Multiregional Research Clinical Trials: MRCT)推進に向けた産学官からのアプローチ、さらにはコンソーシアムの取り組みや、各施設のプロジェクト紹介をはじめ、リアルワールドデータの活用と課題、さらには中国と韓国における橋渡し研究や早期探索的試験の取り組みなど、国際共同臨床研究に必要な事項に関して、ご参加の皆様とともに、活発な議論となることを望み開催しました。

 

第1部・セッション1 “国際共同臨床研究推進に関する産官学からのアプローチ”では、医薬品医療機器総合機構(PMDA)より佐藤淳子先生、慶應義塾大学より中谷比呂樹先生、ノーベルファーマ株式会社の岩﨑亮平先生をお迎えし、それぞれのお立場からの期待と現状についてご講演を頂きました。

セッション2では各施設のコンソーシアムの取り組みとして、筑波大学のSAPRKプログラムのとりくみについて、小栁智義先生、そして本院からは中谷大作が臨床研究中核病院連絡会議の取り組みを紹介くださいました。

午後のセッション3“リアルワールドデータの荒波を越えて ~期待される活用と課題~”では、有限会社ゑびやの常盤木龍治氏、そして国立がん研究センターの柴田大朗先生に、それぞれの分野におけるリアルワールドデータの活用事例を大変分かり易くご説明いただきました。

また、実際のプロジェクトも知りたいという、昨年のシンポジウムアンケート回答を受けて、セッション4“国際共同臨床研究プロジェクトの紹介”では、北里大学の熊谷雄治先生、EORTCの寺田参省先生、大阪市立大学の城戸康年先生、そして九州大学の米満吉和先生の4名の先生方より、国内施設代表といたしまして、現在取り組んでおられるプロジェクトを沢山の写真と共にご紹介いただきました。

最後のセッション第2部“アカデミアによる国際共同研究の展望”では、厚生労働省から吉田淳先生にご登壇いただき、続いてNational Seoul UniversityからKyung-Sang YU先生、そしてShanghai Clinical Research CenterからTerra DAI先生をお招きして、橋渡し研究や早期探索的試験の取り組みなどじっくりとお話しいただきました。

今回のシンポジウムには、大学・大学病院関連、その他病院、研究機関、企業、そして官公庁から190名を超す方々にお申込みいただきました。

当日の参加者アンケートでは、約90%以上の方々に満足であると御回答いただき、併せて「先生方のIITにかける熱意を感じることができる非常に良い時間だった」、「様々な角度からの繊細化が他の熱意、研究の困難さ、立ち向かう姿勢を聴くことができてとても興味深かった。」「厚労省の国際共同研究への今後の方針等の話を聞けて参考になった」といった多数の前向きなコメントの他に「今後の知識のために、MRCTの事例紹介を多く見たい」等、意見的なコメントもいただくことができました。


第2回に続き、第3回も大好評のうちに閉会できましたこと心より感謝しております。
第4回国際共同臨床研究シンポジウムも開催されるようであれば、過去3回の経験を活かし、さらに多くの方々にお越しいただけるよう、全力を尽くして準備を進めたいと思います。

 

 

 

座長の先生のご協力に、心より感謝申し上げます。

なお、本シンポジウムに加えまして、「第4回国際共同臨床研究実施推進事業 臨床研究中核病院連絡会議」を同時並行で開催いたしました。各臨床研究中核病院12施設間の国際共同臨床研究への取り組み状況の共有や、アジア各国の薬事・保険の規制状況について情報共有され、充実した内容となりました。次回第5回につきましては、2019年9月に開催予定です。引き続き有意義な会議となるよう努めて参りたく存じます。

 

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