第10回セミナーレポート「CDISCの概要とアカデミアに求められる対応」

2018年1月30日(火)に今年度の最終回となる「アカデミア臨床開発セミナー」が開催されました。

今回、先端医療振興財団臨床研究情報センター(TRI)より竹之内喜代輝先生を講師としてお招きし、「CDISCの概要とアカデミアに求められる対応」とのタイトルでご講演をいただきました。

医薬品等の製造販売承認申請に必須となった臨床試験データの標準化形式(CDISC)は、製薬企業において、既に導入済ですが、アカデミア主導の医師主導治験においてもPMDAはそれを推奨しています。

近年、CDISCに関するセミナーは至る所で開催されておりますが、アカデミアではその概念をよく理解できていないという声も多く聞かれます。そうした背景のもと、CDISCの勉強会を実施してほしいとの要望を受け、今回のセミナーを開催いたしました。

セミナーの冒頭、竹之内先生は「アカデミアにおいて、特に「橋渡し研究」ではCDISCへの対応は不要と誤解をされている風潮があるが、それは違うということを今日はお伝えしたい」と強調されました。

 私たちも恥ずかしながらCDISCの概要を十分に理解しておらず、今回は概要だけでも勉強させていただこうと臨んでおりましたが、セミナーの内容は、概要だけでなく数多くの実例が含まれており、CDISCの意義や有用性を分かり易くご説明をいただき、ほとんどの参加者がCDISCを本気で勉強するという熱気に溢れておりました。

 通常、アカデミア臨床研究セミナーは、1時間の講義に30分の質疑応答を設けています。

講義前に竹之内先生は「今日のお話は1時間を軽くオーバーすることでしょう」と述べた通り、70ページ近く用意された講義資料の説明に、やはり1時間以上を要しました。しかしながら、受講者の皆は前のめりで聞き入る様子で、質疑応答も現場の先生方による常日頃感じておられたであろうCDISCへの疑問を数多く質問しました。竹之内先生はその一つ一つを真摯に回答されました。中にはCDISCに対する率直な厳しい質問・意見も見られましたが、それに対しても、アカデミアがCDISCを導入する上で十分協議・理解しておく必要があるものであると述べられ、前向きで有意義な議論となりました。

 

今回参加した研究者の方々へ感想を伺ったところ、「データとメタデータの定義からしっかり説明され、ありがたかった」「SDCDASHの違いが分かりやすかった」など講義内容に対する満足度は高かったと思われます。多くの臨床現場に携わる研究者の方々に今回もご参加いただき、今年度最後のアカデミア臨床開発セミナーにふさわしい内容でした。

 来年度も皆様のご期待に沿えるものを提供できるセミナーをご用意したいと考えております。

どうぞ来年度もご期待下さい。皆様からのご意見ご希望をお待ちしております。

 

 

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