<セミナーレポート>第5回アカデミア臨床開発セミナー

2020年1月24日、最先端イノベーションセンターマルチメディアホールにおいて、第5回アカデミア臨床開発セミナーを開催いたしました。今回の講師は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)国際協力室にご所属の横山敬正(よしまさ)先生で、「PMDAにおける国際調和及びアジア医薬品・医療機器トレーニングセンター(PMDA-ATC)の活動」のタイトルでご講演をいただきました。

ご講演の冒頭、アジア医薬品・医療機器トレーニングセンターについて、皆さまから「このセンターは、どこにありますか?」と尋ねられるが、トレーニングを行う施設ではなく、トレーニングプログラムのことですと述べられ、一部の聴衆者の誤解が解け、安堵し、和やかな雰囲気で講義が始まりました。

ご講演の中心は、PMDAの国際展開についてでした。3つの目的を達成するために5つの戦略を実践していることをご説明いただきました。その取り組みは以下のとおりです。

ビジョン1:先駆的な取り組みによる世界への貢献

ビジョン2:他国・地域との共通の利益の最大化

ビジョン3:他国・地域ニーズに応じた叡智の共有

戦略1:世界に先駆けた取り組みと各国への情報発信

戦略2:薬事規制の国際化と国際協力の推進

戦略3:将来的な国際的ワークシェアリング等もみすえた各種調査の効率化

戦略4:国際規制調和活動への更なる貢献

戦略5:相手国・地域が規制の基盤整備に必要とする情報、トレーニング等の提供

これらの活動を通じて、タイ王国では、日本薬局方を参照局方として採用することになり、日本製品の導出が円滑化されました。また、オーストラリアでは、これまで、日本を迅速審査対象国として取り扱っていませんでしたが、2019年10月より、迅速審査対象国となりました。これにより日本承認製品が迅速に承認されることになりました。

PMDAにおける国際展開に関するご尽力により日本と世界との規制の調和が図られていることが理解でき、世界との距離がぎゅっと短縮した印象を持ちました。PMDAの取り組みにより、海外展開への道を切り開いていただきましたので、国際共同臨床研究を支援している私たちは、そのトラックで国際共同臨床研究をさらに推進して、アカデミアシーズをいち早く海外展開できるように努めたいと思います。

次回のアカデミア臨床開発セミナーは、3月13日金曜日に講義棟2階、B講堂にて開催します。講師は、厚生労働省に出向中の平将生医師です。皆さまふるってご参加ください。

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