<セミナーレポート>第4回アカデミア臨床開発セミナー
医療機器・再生医療等製品開発の進め方と規制動向

2019年12月13日(金)、最先端医療イノベーションセンター棟1階マルチメディアホールにて「第4回アカデミア臨床開発セミナー」を開催いたしました。講師に12月2・3日にタイのバンコクで開催されたOsaka University Hospital – Ramathibodi HospitalのJoint Symposiumでもご登壇いただきました、厚生労働省医薬・生活衛生局 医療機器審査管理課の渡利 彰浩 先生をお迎えしました。以前からリクエストを多くいただいていた、「医療機器・再生医療等製品開発の進め方と規制動向」と題してご講演いただきました。

ご講演では、次の4つに焦点をあて、詳しく丁寧にご説明をいただきました。厚生労働省における1)医療機器における審査の考え方、2)革新的医療機器創出のための支援制度、3)がんゲノム医療・遺伝子パネル検査、そして4)AI活用医療機器の動向。

まず、はじめに、世界の医療機器規制を含む基本審査の考え方の説明から始まり、製品開発の効率化及び承認審査の迅速化を図るための制度として、先駆け審査指定制度などを始めとした取り組に関して、図を用いてご説明いただきました。

その後、がん克服のための方法の一つとして、がんゲノム医療推進コンソーシアムの立ち上げやこれまで実際に承認されたがん関連遺伝子パネル品目などをご紹介くださいました。

続いて、最近何かと話題になっているAI技術を用いた医療機器への対応について、海外での事例や実際の医療機器診断のお写真を使ってお話しいただきました。

現在、次世代医療機器・再生医療等製品評価指標、先駆け審査指定制度、条件付き早期承認制度、薬機法改定による医療機器の特性に合わせた審査制度など、多くの制度が構築されてきており、制度はかなり整ってきました。

そのため、今後のキーワードは2つ:“マクロ”ではなく”ミクロ“の視点による開発支援、チームワークを活用した開発支援が大切になってくるようです。

昨今は、個々に医療機器に最適なプログラムを選択して開発することができるようになり、これが「マクロからミクロへ」最初の一歩となっており、医療機器に最適なレギュラトリーサイエンスを議論する段階へと来ています。以上の事から、アカデミアシーズの活用に大きな期待が持たれています、とご講義を締め括られました。

 

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