(セミナーレポート)第4回アカデミア臨床開発セミナー

2020年10月23日(金)、起業をテーマに2名の講師をお迎えし、2部構成で第4回アカデミア臨床開発セミナーを開催いたしました。

第一部は、「大阪大学のベンチャー設立支援の取組及び起業に向けたプロセス」と題し、大阪大学共創機構イノベーション戦略部門ベンチャー・事業化支援室の藤本淳司先生にご講演頂きました。
第二部は、「VCとはいったい何者で何を好むのか -ライフサイエンスベンチャーの米国事例を交え-」と題し、大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社の清水速水先生にご講演頂きました。

第一部でご講演頂いた藤本先生は、ベンチャーキャピタルで取締役として株式上場に関わられたご経験も含め、3社のEXITを達成されました。また、現職に就かれる前には大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社で投資支援事業に関わっておられました。それらのご経験を基に、ご講演では次の3点についてご説明頂きました。

1.ベンチャー企業とは何か
2.大阪大学共創機構の取り組みについて
3.ベンチャー設立のために何をすべきか

大阪大学が目指す「研究開発エコシステム」構築のため、ベンチャー企業を立ち上げることから社会課題の解決につなげる、という役割を担う共創機構の取り組みに加え、起業するには何をしたらよいのか、「How to 起業」として詳しくご説明くださいました。ご自身のご経験を交え、ベンチャー企業成否のポイントや大学発ベンチャーの経営体制における留意点、また、具体的な起業手続きについても、タイムラインと共にお示し頂きました。

次に、第2部でご講演頂いた清水先生は、情報産業分野でのバイオ・ライフサイエンスビジネスに関わり、バイオ系ベンチャーファンド・スタートアップ企業への投資に長く携わっておられました。また、事業会社3社で代表取締役として経営全般を担われたご経験も併せ、VC、ベンチャー企業双方の視点から、次の3点についてご講演頂きました。

1.Venture Capitalとは
2.U.S. Biotech Market
3.日本での上場環境

ご講演では3つのキーワード「価値観の共有」、「社会インパクト」、「リターン」を軸に、VCの投資規模や投資環境に関する日米比較、さらに資金調達について実例を示しながら成功ポイントなどを詳しくご説明頂きました。

前回に続き2部構成で内容の濃い1時間半でありましたが、起業に関して豊富なご経験をお持ちの両先生から具体的にわかりやすくご講演頂きました。研究者の先生方が今後国際展開を目指される一助となれば、セミナー主催者として嬉しい限りです。

次回は11月20日(金)厚生労働省 健康局結核感染症課から福田恵子先生をお迎えし、「国内外での出口戦略を見据えた医療機器開発について」と題しご講演頂きます。皆様のご参加をお待ちしております。

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